「血と骨」
血と骨
原作:原作:梁石日(「血と骨」幻冬舎文庫刊)
監督:崔洋一
2004年 日本

すさまじい内容、と聞いていたので思ったより残酷なシーンは少なかったのでやれやれです。
でも暴力的なシーンのところは、残酷というよりリアルな気がしました。

これ、R15指定なんですが私はあえて子どもたちの前で見ていました。
実際ビートたけしが演じるような暴力的な男が、今そこにいるかもしれないんです。
子どもの前で母親を殴ったりレイプしたり、子どもだって殴るわ蹴るわしても、ついこの前まで犯罪にならなかったわけで、私は今の時代悪い悪いと言われながら進歩したと思っています。
もちろん、現代でもDVに苦しむ女性が多いのは知っていますが。
子どもに民族、性差などの差別問題や人権と言ってもぴんとくるわけありません。
冬休みの課題に人権問題の標語、ポスター、作文などに取り組む、というものがありました。
子どもに「差別ってわかる?」と聞いてもわからない。
理屈で「差別っていけない」と知っているだけで、差別がどういうものかはわからないんです、子どもに限ったことではないけれども。
映画は虚構だけれども、だから入りやすいということもあるでしょう。

ビートたけしが高利貸しとして成功する、おそらく昭和30年代。
私の住んでいた下町もあんな家が並び、道路舗装などなく砂利が敷き詰めてあった記憶がまだ残っています。
あの頃の街の匂い、家の作りや、お鍋、卓袱台なども私は珍しくもないけれど、子どもたちには「いいな」と思うものらしいです。
私には自分の記憶と映画がリンクするために、ノスタルジーとかはまったくありませんでした。
私の母の得意技の一つに、「私たちはお前たち娘を女郎に売ったりしたわけではない」があります。
ビートたけしを見ていると、その通りでしたと肯定的になってしまう((+_+))。
解説では、
「破滅は老いて病んだ肉体の凋落とともに、やってきた。運命は過酷な終末を用意していた」
とありますが、私は別に過酷な終末だとは思いません。
ナレーションにもあったように、どこまでも自分本位に生きたある男の一生です。
本人なりに不満はあったでしょうが、やりたい放題のことをして家族に迷惑をかけてもなんの痛痒も感じない、自分勝手にやってきた意味では幸せであったでしょう。
そんな奴の一生を考えるより、子どもたちに「血と骨」の呪縛をかける親、それを子どもたちはどこでどう断ち切るのか、果たして断ち切ることは可能なのか、そっちのほうが気になります。

ビートたけし、はこれ以上のキャスティングは考えられないほどの怪演。
チョイ役のオダギリ、たけしの妻役鈴木京香、娘役の田畑智子、愛人役の濱田マリもいい味出しています。
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by a-tenar | 2006-01-15 10:34 | Movies

おいしいお酒と、すてきな何かと。
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