生きた。描いた。
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アダン
監督:五十嵐匠
脚本:松山善三
出演:榎木孝明 古手川祐子 木村文乃 
2005年 日本

体調が悪く、139分の映画しかも一人の画家の壮絶な生涯を描いた内容で、自信がありませんでしたが上映期間が限定されているので行ってきました。
行って良かった!

田中一村は大好きな画家の一人で、あまり好きでもない榎木孝明がどう演じるだろうと心配は杞憂。
彼なりの一村を作り上げていました。
晩年などは、写真で残っている一村そのものの雰囲気で圧倒されました。
音楽の安川午朗も、印象に残るいい仕事だと思います。
幻の少女「アダン」も架空の設定ながら、可憐でいい雰囲気でした。
が、私は彼女を森の精のようにとらえていたので、生身の少女か妖精なのかちょっと戸惑っています。

一村にとって生きることと描くことは同じ。
当初は自分を受け入れなかった画壇に対し復讐をしたかったとは思いますが、「絵描き人生最後の絵」とした一群の作品は、地上の雑念を一切消した「閻魔大王えの土産」にふさわしいものです。
食べなくても、病気で倒れても「私はまだまだ絵筆が握れます」と言った生き様と、タイトルの「アダン」の題字(鳥宮暁秀)がかぶりました。

ちょっと生きるのにしんどくなった時、ブルーのきぶんの時、私は一村の画集を見ます。
「絵を売ることは魂を売ること」
心から信頼していた一部の人を除く他の誰にも見せず、誰にも売らず。
若くして天才と認められ、美術学校では東山魁夷、橋本明治、加藤栄三、山田申吾ら日本の画壇を引っ張った「花の6人組」と同期。
あふれる才能がありながらに器用な世渡りができないことが、彼自身にどれほど激しいものを抱かせたか。
「絵の実力だけです」
とおそらく歯を食いしばり、血の涙と汗を流して描いていくうちに絵の鬼になっていく様は、平凡な私に喝を与えてくれます。
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by a-tenar | 2006-07-06 18:02 | Movies

おいしいお酒と、すてきな何かと。
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