母と子の関係1 サロメ
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サロメ
監督:カウロス・サウラ
主演:アイーダ・ゴメス
2002年 スペイン

私は「サロメ」と言えば、オーブリー・ビアズリーの「お前にくちづけしたよ、ヨカナーン」
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それに塩野七生の「サロメ乳母の話」の二つのサロメを思い浮かべます。
母の望みをかなえ、自らも恋心をいただいた洗礼者ヨハネを自分のものにするために、継父のよこしまな願望を逆手にとって「七色のベールの踊り」で生首を手に入れてキスするティーン・ジャーの娘。
大人たちの願望を知りつつ、今自分にできることをして現実に折り合いをつけた娘。
どちらが「本当のサロメ」なのか面白いところですが、私としては塩野七生の描いたサロメに付け加えて、娘から自立した女の物語としてサロメの像があります。
それにフラメンコの要素は正直言ってイメージできませんでしたが、アイーダ・ゴメスは見事でした。
女性の芸術家には失礼を承知して書きますが、1967年生まれのこの人が、本当に今から2000年前のユダヤの、ヘロデ王の妃の連れ子に見えてきます。
彼女はなんらかの形で彼にコンタクトを取りたい。
でも王の娘、その他諸々の事情でストレートには会えない。どうしたら・・・?

または、サロメは母に借りを返したかった。
自分はユダヤを捨ててもなんの痛痒も感じないけれど、それでも母には今まで育ててくれた礼は返したと思って捨て去りたかった。そこでそのすべての礼をこめて踊りが「七色のベールの踊り」だった・・・。

私としてはラスト、サロメがなんらかの形で死を選ぶというようなロマンティックは承服しかねます。それは塩野七生の影響かもしれません。
それでも、その王が踊りを所望しそれに応じて身支度してきたサロメにはなんらかの覚悟があったことは間違いないと思います。
そしてこの「七色のベールの踊り」は、おそらく女がその気になって男を魅惑した踊りのもっとも成功した例に挙げられるでしょう。
だとしたらこれを踊れるのはやはり当代切っての踊り手という自負がなければ踊れず、しかもそれにフラメンコの要素を入れたところがすごいと思わずにいられません。
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by a-tenar | 2006-10-13 16:04 | Movies

おいしいお酒と、すてきな何かと。
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