The Miracle Worker
迷った末、「三郎」を連れていくことになりましたが、石原さとみちゃんのファンの夫が「えーっ?!」。
よくわからない(?)「三郎」を連れて行くより、夫と行けばよかった。
ここのところ、なんだかんだずれまくる私たち夫婦。

私は映画の「奇跡の人」のイメージが強いので、いくつか戸惑いもありました。
音楽が今ひとつ。
アニー・サリバン先生の故郷アイルランドを意識しているのですが、私にはけたたましい印象ばかり残りました。
またアニーの弟ジミーの影も、アニーにとってはトラウマになっていることはわかるのですが、ちょっとしつこいと感じました。
アニーの孤独感は伝わるのですが。
ヘレンの母ケイトがヘレンを抱え込むたびに、アニーは孤立します。
アニーはおそらくヘレンの人形が機械的に話す「ママー」にも、自分にはなかった母の面影を追っているのでは、と思わせる演技でした。

映画といくつか違うところも発見しました。
まず石原さとみの体当たり演技は迫力ありました!
それから田畑智子のアニーは、若さがありはつらつさにあふれた女教師という感じで実際はあんな感じだったのでは。
アニーことサリバン先生の行動は虐待と教育の紙一重だと私は思っています。
違いは全身全霊かけて生徒に向き合っているか、どうか。
アニーは自分のすべてをもってヘレンに立ち向かい、それだからこそ母ケイトは、断腸の思いで母に助けを呼ぶヘレンをアニーへ押しやります。
このお芝居では母ケイト・ケラー役小島聖と、ヘレンの異母兄ジェイムズ・ケラー役山崎裕太の存在感が大きいように感じました。

母としては障害を持ってうまれたヘレンを守りたい(それは彼女自身も守られるから)。
ジェイムスは父を乗り越えたい。
そうした葛藤が丁寧に描かれています。

強烈に心に残った科白です。
「人生は誰にとっても生きにくいもの」
「(だから)どうやって生き残るか、なんです」

障害をもっていようといまいと、生きにくいこの世でどう生き延びていくか。
今、子どもたちの自殺の連鎖を見聞きするたびに私は考えます。
とにかく、生き延びろ!

「選んだら、簡単にあきらめてはいけないんです」
「あきらめるというのは人の最大の罪だと思います」

映画の「奇跡の人」はヘレンの「Water!」で彼女の中で世界が広がったところで終わります。
今、書いていて山岸涼子の「スピンクス」を思い出しました。
閉ざされた世界に生きる者が、他者からのたゆまない働きかけによってゆっくり世界を広げていくところ、なんかそっくりですよね。
このお芝居ではそこでは終わらなくて、「弱い娘」を庇護下におきたい母から、ヘレンが自らアニーを選び取るところまで丁寧に描きます。
世界を広げたヘレンは他者と交わることを選び、他者と一緒にいるためにはルールが必要だと自ら律していきます(たとえば食事のマナーとか)。

ヘレンを巡る人々、父・母・兄の家族模様にとても心を動かされたお芝居でした。
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by a-tenar | 2006-11-04 20:54 | お気に入り

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